ひとつの海の静かな深さ
そうだ繰り返す
幾度も幾度も
俺達はまだ、
うまれて間もない
ふたつの腕の先についた指
十本の指で、きょうもありがとう
かりもののからだで、
かりた魂で
あなたが望むなら、俺は何でもやれる
喉はからからで、おもわずベランダにでた
失くしたものの重さははかれない
急に気になった奥歯の砕片
あの日も俺は嘘をついていた
白い壁の理由を烏に問うてみれば、
烏は烏の寝ぐらへ戻った
何度も答えをねだってみたって、
烏は烏の寝ぐらへ戻った
俺のおふくろは、ベッドで虫の息だった
医者でも治せぬイカレたびょーき
暮らしは金で、金は命ではない
愛するあなたを、いまも愛してる
死ぬほど生きた奴だけに訪れる
静かに深く、柔らかな眠り
鳥の囀りをそこらじゅうに敷き詰めて、
優しい光りに包まれていざ、ゆくよ
そうだ
繰り返す
幾度も幾度も
ひとひらつぶさに、
カタチを変えて
そうだ繰り返す
連々と此処は
ひとつの海の静かな深さ
ひとつの海の静かな深さ
(C) copyright 2006 今野大輔, all rights reserved.
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