水の様に



ひどく暑かったあの夏休み
じいちゃんの古い自動二輪
七つになったばかりの俺を
乗っけて走る古い自動二輪

そこには海があった

砂浜に寄せては返す波の音

本物の海があった

僕は波間に捕われてしまう

水の様に


ビルとビルの隙間に
乾いた校庭に
錆びたガードレールに
雨が降る

水面に石を投げた

凍てついた氷はその手と手を離す

泪はこぼれおちた

傘を捨てた僕らは動き始める

水の様に

深く深く

潜る

呼吸さえも失くすくらい

深く深く



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