西瓜泥棒



 十八年前、校庭の隅で、交わされた秘密の約束。
ちょうど七時に集まって、やすまさの見つけた西瓜畑に忍び込む。

転校生のゆうじは鼻につく奴で、転校初日に青いセーターなんか着こなして、
坊ちゃん刈りのボンボン実は足が速かった。“スピードスター”誰よりも速かった。
あらやんは、根気よく十二歳迄青ッパナを垂らし続けた。
180pの小学生は有名で、卒業式じゃ、担任の先生に間違えた俺のばあちゃんが
「どうもありがとうございました。」「どういたしまして。」あいつは誰よりも優しかった。
たーちゃん、気の良いデブだ。何故か女にモテた。女心を知っていた。
あいつのお陰で、丸刈り頭なのに俺達は、シャンプーは2回欠かさなくなった。
ケンジ、悪戯電話の天才。後に町一番のべっぴんと出来ちゃった結婚。
宇宙に詳しいケンイチウヂは、UFOを呼んだ。
自由を求めて外国の旅、帰って来たら女になってた。

西瓜畑に忍び込もう


シュウヘイ、色黒の二枚目で近所に光ゲンジが引越してきて、ピンポンダッシュ。
逃げ足は速かった。光ゲンジのママにあいつだけ捕まらなかった。

川は流れてた。雲は空を泳いだ。小さな恋もした。
遠くで花火が瞬いて消える。その瞬間、盗みにいく。

野に咲いた名も知らぬ花。季節を告げる虫の亡骸。影が伸び、月は満ち欠け、
あの魚達は川へ帰る。



(C) copyright 2006 今野大輔, all rights reserved.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SEO 無料レンタルサーバー ブログ blog